ダンテ神曲三部作

  • 2011.05.02 Monday
  • 22:05
ダンテ神曲三部作を準備いたしました。
ブラウザ上で三部作の全文をお読みいただけます。
僕は十年以上前の大学一年生の頃、ちょうど今くらいの時期に、ダンテのことを知りました。


翻訳者の山川丙三郎という人は、戦前の大正三年(一九一四年)から十年ほどの歳月をかけてこのダンテの神曲《地獄》《浄火》《天堂》の翻訳を完成し、広く一般に発表しました。そうして山川丙三郎は新しい時代を見据えた翻訳を志し、ダンテ神曲をいったん封印しました。しかし岩波の編集者がこのすばらしい翻訳に感銘を受け、戦後灰燼に帰した文化を復興するためにと、この山川丙三郎が翻訳した本を、当時のままの文語体で復刊しようと奔走し、今もなおこの本が読み継がれているというわけです。


僕はどちらかというと難しい内容を判りやすく表現した物語が好きで、大長編文学や大の字がつくような文学に疎いので、当時これをすべて読みきれませんでした。数多くの文化人が、この山川丙三郎翻訳の美文について絶賛しているわけですが、いかんせん教養のない僕には敷居が高すぎ、難しすぎました。それで歳をとってから読んでみたのですが、これはもう登山というかエベレストみたいなもんだと思います。シェルパが居なければ読めないですよ、これは。一人で挑戦したら間違いなく遭難します。


ブラウザで読むのはちょっと無理がありすぎると思いますが。右クリックボタンを押すと、しおりをはさめますよ。公共図書館に行けば手にとりやすい文庫版もあります。


ダンテは文学者として歴史に名を残しましたが、じつは当時、政争に敗れてひじょうに辛い島流しをされている最中に、この本を書いたのです。法然も島流し。親鸞も島流し。人々の心に訴えかける人はたいてい、お上に逆らって島流しです。


この本は、主人公ダンテが師とともに地獄へ向かう物語からはじまり、地獄の底の底へ行き着いたあとに魔王の背をよじ登り、位相が逆転したとたんに地上へ帰る《地獄》と、第二部《浄火》、第三部《天堂》の三作品により構成されています。
ちなみに僕はこのブラウザ版ダンテ神曲を、まだ地獄の中盤くらいまでしか読み進められていません。このブラウザ版では、一作読み終えると、次の浄火を読めるようになり、三冊すべてを読み終えると、コンプリート画面が表示されます。


僕がおすすめする読み方は、まず先に、図書館でダンテ関連本を読んでみて、解説書や評論文や、あるいはマンガやエッセーを通して、ダンテがいったいこの本でなにを言いたかったのか、どんな気持ちで書いていたのかを知ってから読み始めることをおすすめします。なんの前準備もなくこれを読み始めると、脳が拒絶します。


そうして何冊かのダンテ神曲本を読み比べてみると、たしかにこの山川丙三郎の翻訳が、じつに丁寧で美しく編み込まれていることがよく判ると思います。





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