わがひとに与ふる哀歌 伊東静雄
- 2011.09.29 Thursday
- 13:20
28編の詩からなる詩集です。
『わがひとに与ふる哀歌』は、文学者の大江健三郎さんがもっとも感銘を受けた詩集です。
くわしくは『すばる』 2011年 10月号をお読みください。
終わりから二つ目の『鶯』という詩がそれです。
晴れた日に
曠野の歌
私は強ひられる――
氷れる谷間
新世界のキィノー
田舎道にて
真昼の休息
帰郷者
同反歌
冷めたい場所で
海水浴
わがひとに与ふる哀歌
静かなクセニエ
咏唱
四月の風
即興
秧鶏は飛ばずに全路を歩いて来る
咏唱
有明海の思ひ出
(読人不知)
かの微笑のひとを呼ばむ
病院の患者の歌
行つて お前のその憂愁の深さのほどに
河辺の歌
漂泊
寧ろ彼らが私のけふの日を歌ふ
鶯
(読人不知)
こちらのリンクから全文お読みいただけます。
http://akarinohon.com/center/wagahitoni_atauruaika.html (約40頁 / ロード時時間約30秒)
「鶯」という詩については幼い頃に読んだ記憶があるのですが、28編全篇通して読むのははじめてなのです。
『すばる』 2011年 10月号を本屋で立ち読みしまして。
そこにこの詩の紹介が載っています。
(私の魂)といふことは言へない その証拠を私は君に語らう
という言葉の難解さというか、奥行きに感銘を受けました。それで図書館で「火をめぐらす鳥/大江健三郎」と「わがひとに与ふる哀歌/伊東静雄」を読んでみました。
言葉が美しいですね。
伊東静雄の詩集は持っていませんでした。
読んだことなかったのですが、
こんなに美しい作品を書かれていたのですね。
ありがとうございました。
勉強になりました。